薫千

神父と吸血鬼

 ある夜、教会の清掃を終えてスーパーで四割引になった惣菜を買った帰り。 暗闇の向かい側から、一匹の子猫が「にゃーん」と俺を呼んだ。生後三ヶ月くらいだろうか。動物は嫌いなほうではない。レジ袋を下げているからなにか餌をねだりにきたのだろうが、あ…