暴力

午前10時のユウレイクラゲ

午前10時のユウレイクラゲ─02.おろかものたちの不文律

「あ、」 「……あ」  白い煙を吐く口もとに、タバコを持った指先。しまった、とお互いに思ったのか、場の空気が凍りつく。校舎裏になど誰も来ないとたかを括っていたのだろう、伊藤はジッと順平を見つめ返した。 「なにしに来た?」 「椅子を借りにだよ…